4. 災害時用のトイレは使いものになるのか?

防災士の研修を受けていてびっくりしたことがあります。「被災時には上下水道が止まることがあります。この際、くみおきの水を使って水洗トイレを流そうという人がいますが、これは絶対やってはいけないことです」と研修の中で言われたのです。私は、誰かにそう言われてお風呂の水を捨てないでいつ災害が起こっても使えるようにしていたので、ビックリしました。
言われてみれば確かにその通りで、災害時に上水道が止まるような時には下水道にも何かのトラブルが起こっている可能性が高いです。下水道管がどこかで破裂していたり、下水処理場が機能しなくなっていたりする可能性もあるのです。なのに、そこへもってきてお風呂でくみおいた水で大便や小便を流されたらたまったものではありません。
東日本大震災では、避難所に仮設トイレが設置されるまで1週間以上かかった自治体もあります。またトイレの回数を気にして水分や食事を控えた結果、脱水症状などになる人が出たことが知られています。そうです、トイレはどんな時にもとても重要なんです。
今回私たちは、コクヨの非常用トイレ「防災の達人 10枚重ね DRK-NT2」を使ってみました。
http://www.kokuyo-st.co.jp/solution/bousai/toilet_supplies/
さすがにコクヨの製品だけあってオフィスのキャビネットにピッタリはまるA4サイズの箱入りで、この一箱に100回分の簡易トイレが入っています。
箱を開けると一袋に10回分入った袋が10個入っています。
この袋に入っている「使用方法」のA3の紙は、ポスターとしてトイレのドアなどに貼っておくことができるようになっています。
中には非常用トイレが10枚入っています。これには両面テープが付いており、トイレット・ボウルの上からかぶせるように貼り付けて設置します。
つまりこれは、通常使っているトイレの上にかぶせて使うものなのです。
使用法は、いつも使っているトイレと同じようにこの上に座って用をたすだけです。
用が終わったら、付属の凝固剤をふりかけます。
この凝固剤は、紙おむつなどにも採用されているもので、無害です。
終わったら黒い非常用トイレを切り取り線に従ってはがし、首をしばって臭気が逃げないようにし、まとめて一般ごみとして捨てれば良いのです。
普段使っているトイレの上にかぶせて使うのですから使用感は普段のトイレと同じ。もちろん、非常用トイレはビニール製ですからトイレにまたがった時に足にはビニールの触感がありますが、意外と早く慣れました。袋から臭いが漂うこともなく、手が汚れることもありません。
人間のトイレは大小合わせて1日5回程度だそうです。これは1箱100回分ですから1人で20日間はこれでトイレに苦労することはありません。東京都の災害時の上下水道の復旧目標は30日です。
家族の人数×5回×30日分の非常用トイレが準備されていれば万全ですね。
コクヨ 非常用トイレ 防災の達人 10枚重ね DRK-NT2
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