
在宅避難が基本の東京都。復旧まで電力7日、上下水道は30日、都市ガスは60日を自宅で乗り越えるためには、十分な備蓄が必要です。特にコンビニ頼みの若者は冷蔵庫に食品のストックがないケースもあるので、必読コンテンツです。
◆自宅に備蓄する
遊休地が少ない都市部では、在宅避難が基本です。
東京都では大地震時の電力の復旧目標を7日としており、上下水道は30日、都市ガスは60日です。ここで注意しなくてはいけないのは、これはあくまで「目標」だということです。この日数で必ずインフラが復旧するという保証はどこにもないのです。
この期間、自宅でどのように避難していけばいいのでしょうか。
この対策は「備蓄」です。
最低でも1週間、他人や自治体に頼らなくても生き残っていけるように、そして少しでも快適に過ごせるように、いざという時のために生活に必要なものを用意しておきましょう。
◆特に、コンビニ頼みの独身者はしっかり備蓄
東京都の調べによると、子どもがいるような一般家庭の冷蔵庫などの中には買い置き食料品が1週間から2週間分はあるのだそうです。(『東京防災』93ページ)
ところが、コンビニを保管庫代わりに使っている独身者たちは、全くストックがありません。この人たちこそ、普段からストックをしておいたほうが良いのです。
◆何を何日分?
電力7日、上下水道30日、都市ガス60日が目標と言っても、さすがにこの長い日数を全て自分の備蓄で乗り越えるなんていうことはできませんよね? なので、最低1週間の用意はしておきましょう。本によっては「3日分」と書いてあるものもありますが、ここ最近のどの災害よりも深刻な事態になりそうな首都圏の災害に備えるには「1週間」を目安にした方が良さそうです。
◆備蓄リスト
備蓄するべき15の商品は以下の15品目です。
- 水の備蓄
- ボックス入り非常食 3日分
- アルファ米
- 発熱非常食
- 缶入り非常食用パン
- 温めずにおいしいカレー
- 野菜の保存食セット
- フリーズドライ・パスタ
- ビスコ 保存缶
- 長期保存可能なようかん
- 乾電池 単3
- 乾電池 単4
- 電池スペーサー
- 乾電池ケース 10本用
- トイレットペーパー
その他 常備薬
その他 生理用品
その他 ビールやたばこお菓子など、楽しみにしているもの
◆水
1. 水
水(サントリー 南アルプスの天然水 2リットル・ペットボトル×6本×2箱)
水は飲用、食用、カラダを拭く、などいろんな用途に是非必要です。飲用と炊事には1日1人あたり3リットルが目安で、体を拭くことや洗濯なども考慮すると1人6リットルが必要です。
1人あたり6リットル×7日間=42リットルが備蓄しておきたい量となります。
2リットル6本入り=12リットル入りの箱で1人2日分。最低でも8日分の4箱は常備しておきましょう。
防災ショップなどでは「防災用」として保存期間の長い水を販売していますが、このようなものを購入する必要はありません。
市販のペットボトルの水は保存期間1年です。いつでもこのストックを飲用に使いながら、足りなくなったら補充するというのが良いと思います。
このような方法を「ローリング・ストック」といいます。
Amazonで買う 2,130円(2021年8月19日現在)
◆食料
食品も、水同様「ローリング・ストック」ができれば良いのですが、コンビニ頼りに生きていると、カップ麺も冷凍食品もストックなんかしていないですよね。災害が来るとまず電気は止まり、冷凍食品は役に立たないと考えてください。ガスも止まります。こんなときは、「「避難所/自宅避難キット」「車中泊キット」を作る」のページで紹介したカセット・コンロが役にたちます。カセット・コンロでお湯を沸かしていつものカップ麺をつくったり、「サトウのごはん」とレトルト食品を温めたりして温かいものを食べれば、被災した折れがちの気持ちも少しは明るくなります。
ふだんからこうして貯めておいた食品を食べて、その都度補充していけば、自然と「ローリング・ストック」することができますね。
また、長期保存が可能な食品も、最近はとてもおいしくなっています。長期保存食品は3年から5年の一般の食品のように頻繁に食べて「ローリング・ストック」する必要はありませんが、自分の誕生日とか9月1日の防災の日とかボーナス支給日とか、わかりやすい年に一度の日を基準に、常に新しいものに交換しておく必要がありますね。
2. ボックス入り非常食 3日分
ファシル しっかり、まんぞく 非常食セット3日分
http://facil.shop-pro.jp/?pid=132972349
17,380円(2021年8月19日現在)
「第1回 日本災害食大賞2016 新製品部門グランプリ」を受賞した製品です。非常時の最初の3日間を乗り切る非常食のセットになっています。ダンボールに一括して入っていて、中にはアルファ米やおかずの他に、おやつやカゴメ野菜ジュースも入っていて、保存期間3年という優れものです。
3. アルファ米
尾西食品 アルファ米12種類全部セット(非常食 5年保存 各味1食×12種類)
「おいしいアルファ米」として評価の高い尾西食品のアルファ米全12種を1袋ずつセットしたコンプリート・ボックスです。保存期限は5年以上。
Amazonで買う 3,341円(2021年8月19日現在)
お湯を注いだら15分で食べられますが、水でも60分で食べられるという特長を持っています。
4. 発熱非常食
レスキューフーズ 一日セット カロリーアップ 2900g
箱の中に発熱剤が入っていて、付属の発熱溶剤を注ぐだけで熱々になる非常食です。水も火も要りません。
20分加熱して10分蒸らすと食べられます。
amazonで買う 4,680円(2021年8月19日現在)
5. 缶入り非常食用パン
パン・アキモト おいしい備蓄食 6缶セット(ブルーベリー・オレンジ・ストロベリー:各2缶)
筆者が大好きな缶入りのパンです。
普通のパンより割高なのですが、わざわざ時々これを食べているので、自然と「ローリング・ストック」になっているという商品です。
この商品のルーツは、1995年の阪神淡路大震災だったのだそうです。
栃木県那須塩原市の会社から、支援のため被災地に送ったパンが半分以上痛んでしまったという苦い思い出から「焼き立てのようにおいしく、長持ちするパン」を作るため試行錯誤を重ね、これが生まれたのだそうです。
Amazonで買う 2,955円(2021年8月19日現在)
6. 温めずにおいしいカレー
ハウス 温めずにおいしいカレー
カレーで有名なハウス食品が開発した、温めずにおいしいというカレーです。保存期間は3年。
第1回日本災害食大賞優秀賞を受賞しています。
Amazonで買う 2,180円(2021年8月19日現在)
7. 野菜の保存食セット
カゴメ 野菜の保存食セットYH-30【2人世帯×3日分】
野菜ジュースや野菜スープなどが摂取できる保存食のセットです。長期保存用ジュース「野菜一日これ一本」は、通常スーパーマーケットやコンビニで売っているものとは異なり缶入りで保存期間は5.5年、スープは3.5年となっています。商品の表示は温めるかレンジでチンして食べることになっているのですが、常温で食べてもおいしいのだそうです。
amazonで買う 2,871円(2021年8月19日現在)
8. フリーズドライ・パスタ
アマノフーズ フリーズドライ リゾット パスタ 6種類 12食 小袋ねぎ1袋 セット
フリーズドライのリゾットとパスタのセットです。中身を器に入れて熱湯を100ml入れるだけ。よくかき混ぜて60秒待つとできあがり。
このセットには、国産米を使用したリゾットと、もちもち食感のショートパスタ、フリッジを使用したクリームパスタが6種12食分入っています。賞味期限は製造から1年です。
Amazonで買う 2,780円(2021年8月19日現在)
9. ビスコ 保存缶
ビスコ 保存缶
自宅避難生活も長くなると、味の変化がほしくなります。甘いものなどが欲しくなります。
保存缶のビスコは賞味期限製造後5年。5枚ずつ分包したものが6パック入りの合計30枚入りです。味や風味は保存缶じゃない一般のビスコと同じです。不思議ですね。
ラベルには商品の基本情報(原材料名、栄養成分表など)に加えて、災害用伝言ダイヤル171に関する説明があります。
Amazonで買う 745円(2021年8月19日現在)
10. 長期保存可能なようかん
井村屋 えいようかん 60g 5本入り
井村屋が、ようかんの製造技術を生かして5年の長期保存を実現したようかんです。1本食べるだけで手軽に171kcal(ご飯一杯分)のエネルギー補給が可能という、手軽にカロリーが補給できるものです。ようかんといえば普通は日本茶などといっしょに食べるものですが、この「えいようかん」は適度に柔らかく、すっきりした甘さで、水がなくてもそのまま食べることができます。
Amazonで買う 499円(2021年8月19日現在)
◆乾電池
電気、ガス、水道といったインフラのうち、現代いちばん困るのは電気がストップすること。電気が止まるとマンションなどは、もし水道が復旧してもポンプが動かないので各部屋にまで水がやって来ません。
個人の生活でも、懐中電灯やラジオなど、乾電池は被災時には大変役に立ちます。特に、スマートフォンなしではありえない私たちのくらし。つねに情報を交換して不安ない避難生活を送るためには、いつでも充電できる環境が必要です。コンビニや家電量販店で売っている、乾電池でスマートフォンを充電できる装置と十分な乾電池があれば安心です。
良い電池は10年までの保存が可能なので、20本パックをいくつか買って日々使いつつ、足りなくなったら20本ずつ補給するのがおすすめです。
11. パナソニック 単3形アルカリ乾電池 20本パック
パナソニック 単3形アルカリ乾電池 20本パック
乾電池なんてどのブランドのどの製品を買っても同じなような気がしていました。ところが編集部でテストしてみたところ、電池の「持ち」には大きな差があることがわかりました。
パナソニックには、この電池よりも上級機種の「Evolta」があるのですが、LEDランタンを点灯させるテストでは、この普及品のほうが持ちが良いことがわかりました。
良い電池は10年までの保存が可能なので、20本パックをいくつか買って日々使いつつ、足りなくなったら20本ずつ補給する「ローリング・ストック」がおすすめです。
Amazonで買う 999円(2021年8月19日現在)
12. パナソニック 単4形アルカリ乾電池 20本パック
パナソニック 単4形アルカリ乾電池 20本パック
最近使うことの多い単4電池もお忘れなく!
Amazonで買う 990円(2021年8月19日現在)
13. BLUE LOTUS 電池スペーサー BL-224-ZU
BLUE LOTUS 電池スペーサー BL-224-ZU
電気製品には単3電池を使うもの、単4電池を使うものなど、色々なものがあります。単3電池がなくなった時に単4電池に装着して使えるようにするスペーサーが売られています。電池の世界では小は大を兼ねる。単4電池が単3電池して使えるようになります。
備蓄の際には、単4電池は多めに備蓄して足りなくなったらこのスペーサーを利用するというのも良いかもしれません。
Amazonで買う 387円(2021年8月19日現在)
14. 電池ケース(単3形、単4形対応)
サンワサプライ 単3形・単4形対応大容量タイプ 電池ケース クリア DG-BT6C
パックで買った電池の保管は、バラバラになってやりづらいです。そんな時には、10本ごとにプラスティック製のケースに保管しておけるケースを使いましょう。このサンワサプライの製品は、単3も単4も保管できる優れた製品です。
Amazonで買う 556円(2021年8月19日現在)
15. トイレットペーパー
忘れがちなのがトイレットペーパーです。災害時は水道が止まり、水洗トイレが機能しないので非常用トイレを使うことになるのですが、その際にもトイレットペーパーは必要です。
一般社団法人日本トイレ協会(http://www.toilet-kyoukai.jp/ )では「トイレットペーパーを日本人女性が一日に使う量の平均は12.5m、男性の平均は3.5mで、男女平均8.0m」としています。これをもとに計算すると女性は1週間で87.5m、男性は24.5m、男女平均56mの備蓄が必要です。
平均的なトイレットペーパーはダブルで30m、シングルで60mですから、2ロールくらいがいつでもストックしてあるようにはしたいものですね。
シングル:エリエール トイレットペーパー 1.5倍巻き 82.5m×12ロール シングル
amazonで買う 2080円(2021年8月19日現在)
ダブル:エリエール トイレットペーパー 1.5倍巻き 45m×12ロール ダブル
amazonで買う 675円(2021年8月19日現在)
◆その他
1週間、お店の世話にも他人の世話にもならずに生きていくために必要なものをリストアップしてみましょう。特に持病のある人は薬のストックはとても大事です。
その他、女性なら生理用品、ビールやたばこや甘いものなどが習慣の人は、それぞれ1週間分はつねにローリング・ストックしておきましょう。
- 常備薬
- 生理用品
- ビールやたばこ、甘いものなど、楽しみにしているもの
⇒「乾燥野菜を常備しよう!」
http://risk.tokyo/stock/driedvegetable/