L型金具の取り付け方 イラスト

地震対策として非常に重要なのが家具の転倒を防止すること。この方法を考えていきましょう。

◆高層階ほど危険

大きな地震でのケガの原因を調べると、どの地震でも30%〜50%が、家具の転倒、落下、移動によるものでした。

東日本大震災の東北地方太平洋沖地震の東京23区の震度は5強だったわけですが、この地震で負傷した人に東京消防庁がアンケートを行ったところ、その時の居場所が高層階であればあるほど、家具の転倒、落下、移動によるけが人が多かったとのことです。

(東京消防庁 平成23(2011)年都内の負傷者に対するアンケート) http://www.bousai.metro.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/000/368/231125bousaitaiouhonsatu.pdf

幸い、家具の転倒等を直接の原因とする死亡者は出ませんでしたが、これは震度5強の地震でした。「5強」とは、気象庁によれば「固定していない家具が倒れることがある」ということで、この程度では家具によるケガは少ないのです。

これは震度6以上になれば、家具は危険要因となります。

震度6弱では「固定していない家具の大半が移動し倒れるものもある」、震度6強では「固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる」としているのです。

(気象庁のサイトより http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/

◆突っ張り棒では危険は防げない

東京消防庁では「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」という、家具の固定や配置に関する詳細なハンドブックを発行していて、インターネットでもダウンロードできます。

ダウンロードは⇒ http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-bousaika/kaguten/handbook/

これは、たいへん役立つハンドブックですから、ぜひダウンロードして読んでみてください。

ホームセンター等にいくと、家具の転倒防止の用具としてよく売っているのが突っ張り棒です。家具の上部と天井の間に設置して、突っ張って転倒を防ぐとうわけですね。

このハンドブックによると、実はこの突っ張り棒は、気休めにしかならないようです。もちろん何もしないよりははるかにマシです。でも固定先の天井が柔らかい素材でできていることがほとんどである以上、天井にしっかり固定したところで天井を簡単に破って、家具は倒れてきてしまいます。

結局は、建築基準法で十分な強度を求められている壁の下地材にL字型の金具をボルトで固定するのが一番のようです。

(ハンドブック13ページから)

しかし、賃貸住宅では壁にボルトは打てない、とか、家具にネジ穴を開けるのが嫌だとか、そもそもL字型の金具が見えているのはカッコ悪いとかという理由で、ネジ止めにはどうしても抵抗がある方も多いと思います。

その場合には、突っ張り棒とマットを併用するのがいいようです。

(ハンドブック15ページから)

家具の転倒防止グッズに関しては、以下のページでご紹介しています。

家具の転倒防止グッズ