2018/03/22(木) 冊子「東京くらし防災」の編集委員の話を聞くことができた

2018年3月1日から配布が始まった、東京都の作成した冊子「東京くらし防災」の編集委員のひとり、池上三喜子さんの講演を聞きに行きました。

この冊子「東京くらし防災」は、東京都の小池百合子都知事が「防災には女性視点で」ということで、前任の舛添要一さん時代に作られた冊子「東京防災」に追加して作られたものです。 「東京防災」は実によくできた冊子で、私が防災士の試験を受ける時にも、この冊子に書かれていたことで試験範囲の相当部分をカバーできたほどでした。

発刊当時の東京都民には無料で郵送で配布されましたが、現在でもKindleストアで無料で手に入れることができます。

今回の「東京くらし防災」は「女性目線」が売りで、編集委員は全員女性です。 この中のお一人が、今回講演を聞いた池上さんです。 池上さんは公益社団法人市民防災研究所の理事をなさっている方です。 「東京くらし防災」はこの編集員のみなさんの考えで「前回の冊子『東京防災』に書かれていた内容の実施のハードルを大幅に下げよう」ということにしたのだそうです。 たとえば「ガラス飛散防止フィルムを貼ろう」というのはハードルが高い。だから「昼間もレースのカーテンを閉めたままにしよう、夜はカーテンを閉めて寝よう」というふうにしたのだそうです。 防災を考えればもちろんガラス飛散防止フィルムを貼ったほうが良いのは間違いないし、費用だってとても安いのだけれど、手間がかかることは「ハードルが高い」。だったら「何もしないよりは、まし」っていううレベルでも、少しでも意識を変えていこう、という方針だったのだそうです。 なるほど。 この冊子が「ハードルを下げている」と実感できるのは、冊子冒頭で「いますぐできる15のこと」と、15個の内容を提示していることです。「外出先では非常口を確認」「カーテンは閉めて寝る」「食器の重ね方を変えてみる」など、とても簡単にできる15個のことがピックアップされているのです。

これはいい。

前回の黄色い冊子「東京防災」と今回のピンクの冊子「東京くらし防災」の一番のちがいは、その配布方法です。黄色い冊子「東京防災」は東京都の全戸に郵送されたのに対し、今回のピンクの冊子「東京くらし防災」は、東京都の指定した場所で配布されます。区役所とか、東京都の施設などです。 http://www.bousai.metro.tokyo.jp/1005427/1005661/index.html

その結果、「ハードルを下げ」て、防災意識の低い人にもわかりやすく説明している冊子なのに、意識の高い人が早々と配布場所に出かけて冊子をもらってしまい、意識の低い人になかなか行き渡らない様になってしまったのが、残念なところなのだそうです。 でも、Kindleをはじめ、電子書籍ショップで無料での配布も実施されているので、ここでダウンロードすれば良いですね。

また、黄色い冊子と同時ダウンローが始まったアプリ「東京防災」の中にも「東京くらし防災」の内容が反映されています。

Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.tokyo.metro.tokyotobousaiapp
iOS
https://itunes.apple.com/us/app/id1290558619?l=ja&ls=1&mt=8
こちらも利用してみてください。

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